初めての精神科の閉鎖病棟の保護室での体験談

精神科と言われてイメージするのはどのようなものでしょうか。

私は病気になる以前は全体的に部屋は薄暗くて患者さんが数人ウロウロしながら車いすに座っている老人が独語を喋っているみたいなイメージだったのですが、実際に入院して思ったことは半分は合っているし、てかほぼ違うしって感じです。

 

でも閉鎖病棟の保護室に関しては「そんな所あるとも思わなかった」が正直な感想です。

 

最初の入院は、すぐに保護室に入った

 

私は発症直後、精神科の病院に行きすぐに保護室に入りました。

それは大部屋を介さずそのまま保護室に入りました。

最初の問診を経て何も説明されずにそのまま保護室です。

 

今でも感じていますがいくら未成年で極度の興奮状態とは言え少しは説明が欲しかったなとは思います。書類や何ももらいませんでしたから。

 

初めて保護室に入った瞬間、病衣に着替えさせられ。鍵を閉められて部屋に一人にされました。保護室は布団とトイレ以外何もない窓には檻がかかった密室です。おまけに部屋には監視カメラまであります。

 

見たことはありませんが例えるなら独房のような所でしょうか。

トイレも自分で流すことが出来ません。看護師が巡回した時に流してもらいます。

水も看護師が巡回した時に紙コップに入れてもらいます。

 

初めて保護室に入ってまず思ったこと

 

「これで学校の勉強をしなくてすむんだ」

それはなぜか安心をしたのでした。

しかし夜になり一人になると猛烈に不安になります。

「自分はこの部屋で一生を暮らすのではないか」

その夜からずっと起きて叫び壁を叩いていたのですがそれから記憶はありません。

気づいたら朝になった。それが何時間起きていて何時間寝たのかもわかりません。

だって時計もカレンダーもないわけですから。

 

窓から外を眺めると病院の患者さんが外を集団で散歩しているのがたまに見えました。

そこには若い方から年を取った方までいます。

「自分もこの病院で暮らして一生自由がないのでは」という不安も生まれてきます。

保護室の中には何もありませんでしたし、ただ考え事をして一日が過ぎるだけでした。

 

想像してください。スマホや本も何もない状態で部屋で一人きりで過ごすのです。

その極限状態になった私はどうなったかというと……落ち着きました。静かになりました。

 

すると、看護師さんから落ち着いてきたから大部屋に移動しましょうと言われて大部屋のベッドに移動しました。

 

「もうこれで保護室からは出られるんだ」と思うと嬉しくてたまりません。

そこからすでに入院生活は始まっていたのですが。

 

保護室を経験した私が保護室に関して思うこと

 

保護室に人権があるかと言われたら、入った経験から言うとありません。

もちろん拷問されたり食事を与えられなかったりという非人道的なことは一切ありませんでしたが、それでも環境が劣悪です。保護室の印象は完全に刑務所の独房であり、家畜のような扱いです。

 

それが医療として必要かどうかは私は医師ではないのでわかりません。

しかし急性期において外部のストレスから一切遮断するというのは間違いありません。

 

私はこの保護室というのが精神科における最終手段であり手術のようなものだと思います。

現に私は急性期に状態が悪くなる度に保護室に合計4回入ったのですがそれで幻覚や妄想の症状が未然に防げたのも事実としてあります。

 

なので患者として一方的に保護室を否定できません。ただ二度と入りたくはありませんが。

以上、私の保護室に初めて入った話でした。

この記事のライター <<がじゃまる>>

≪がじゃらぼ≫の執筆・運営をしている、WEBライターの”がじゃまる”と申します。高校時代に両親や友達との葛藤で統合失調症を発症。16歳の春にストレートで隔離室へ。紆余曲折を経て病気を抱えながら大学へなんとか入学・卒業。抑うつと希死念慮を抱えながら商社での一般企業オープン雇用(2014.11~)と結婚(2015.7~)をもとに、精神疾患の悩みや共感をお伝えしてます。

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